テニス肘の原因とは? 痛みの正体とPRP治療という選択肢

肘の痛みは、季節を問わず一年を通して非常に多い症状です。
特に当院のある地域では、ゴルフやテニスをされる方が多く、さらに当院がゴールドジムと提携していることもあり、筋トレ中に肘を痛めてご来院される患者様も多くいらっしゃいます。

・肘の外側に突然痛みが走って、数日休んでも良くならない
・発症してからすでに数カ月が経ち、ついには運動ができなくなってしまった

──こういったケースは決して珍しくありません。

原因として非常に多いのが、いわゆる テニス肘(上腕骨外側上顆炎)と呼ばれる状態です。

テニス肘と言っても、実際にはテニスに関係なく発症するケースの方が圧倒的に多く、デスクワーク、家事、荷物の持ち運び、そして筋トレやゴルフなど、日常生活の中の動作でも簡単に起こります。

テニス肘の原因

テニス肘の多くは、肘の外側にある 腱(けん)の炎症・損傷が本態です。

腱とは、筋肉と骨をつなぐ強いロープのような組織で、筋肉の力を骨へ伝える役割を担っています。
この腱に炎症や、場合によっては亀裂が生じることで、慢性的な痛みが続くようになります。

指先の動きも影響! 治療が難しい理由

そしてここが非常に重要な点ですが、肘の外側の筋肉は肘から始まり、指先の動きに深く関わっています

つまり、肘を動かさないようにしても、手や指を使っている限り本当の意味で安静にはできません。
これこそがテニス肘が治りにくい最大の理由です。
しかし、手や指を使わず生活することは現実的には不可能です。

さらに、万一亀裂が生じている場合でも、腱は自然に修復しないケースが多く見られます。
加えて、体が自然修復に使える期間には限りがあります。特に痛みが数カ月以上続いている場合、その後いくら安静にしても損傷が残り、痛みが長期間続く可能性があります。

そのため、痛み止めの内服薬や湿布の効果は限定的で、ステロイド注射を行っても十分な改善が見られないケースもあります。

PRP治療という選択肢

そこで、治療の選択肢として有力なのが PRP(多血小板血漿)治療 です。

PRPは、ご自身の血液から抽出した成長因子を含む血小板を高濃度にして患部へ投与する治療で、損傷した腱のコラーゲン線維を補強し、組織修復を促す効果が期待できます。

PRP治療とは?

患者様ご自身の血液から抽出した血小板を高度に凝縮し、患部に注入することで、組織の修復を促す治療法です。

ご自身の血液を用いるためリスクが低く、手術に比べて身体への負担を抑えられる点が特徴です。変形性関節症やスポーツによる関節トラブルなど、幅広いケースで検討される選択肢です。

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治療の経過について

個人差はありますが、痛みは早ければ2週間、一般的には4週間頃から改善が始まります。
鎮痛剤とは異なり、効果の立ち上がりがゆっくりですが、その代わり改善が始まると良好な経過が持続しやすいという特徴があります。
表面的に痛みだけを抑えるのではなく、損傷組織の修復を促すため、再発しにくい状態を目指すことが可能です。

当院では、診察の結果、適応と判断された場合には当日中にPRP作製・注入を行うことも可能です。痛みで日常生活や運動に支障がある方にとって、迅速に治療を開始できる選択肢をご用意しております。

テニス肘に対してPRP治療を受けられた場合、1〜2ヶ月程度の経過とともに、段階的にゴルフやテニス、トレーニングといったスポーツ活動への復帰を検討できるようになります。 ※効果の現れ方や経過には個人差があります。

自由診療に関する重要事項

費用(税込): PRP注射 132,000円(※別途、初診料・再診料がかかります)

主なリスク・副作用: 注入部位の疼痛、腫れ、熱感、皮下出血、感染、アレルギー反応(稀)などが生じる可能性があります。注入後数日間は、組織の修復過程(炎症反応)として一時的に痛みが強まる場合があります。

治療回数: 通常1回(症状により複数回検討する場合もあります)

治療期間: 経過観察を含め約3〜6ヶ月程度

※治療価格は定期的に見直しを行います。最新の情報は、治療価格ページをご確認ください。

医師より

当院では、テニス肘(上腕骨外側上顆炎)の治療選択肢の一つとして、PRP治療を行っております。
肘の外側の痛みが長引いている方、湿布や痛み止めで誤魔化しながら生活している方は、ぜひ一度ご相談ください。
いつまでも悩み続けるより、正確な評価を行い、適切な治療を選択することが早期の回復を目指す上で重要です。

記事の執筆者

南雲 吉祥

NAG整形外科院長:南雲 吉祥
整形外科専門医、スポーツドクター。元は整形外科領域のがん治療医として活動。その後、米国で再生医療の研究に従事する。渡米中のケガをきっかけに、スポーツ医学の重要性を認識。帰国後、スポーツ外科医に転身する。
現在、アスリートを血液解析と再生医療を用いた医療技術でサポートする、「アスリートサポートプログラム」を展開中。紹介ページはこちら