五十肩・四十肩の痛みを注射で改善|PRP療法とハイドロリリースによる最新治療

「肩が痛くて夜中に目が覚める」「腕が上がらず着替えが辛い」……。 四十肩や五十肩(肩関節周囲炎)は、放置すると関節を包む膜が厚くなり、関節が固まる「拘縮(こうしゅく)」を引き起こす可能性があります。

NAG整形外科では、従来の対症療法だけでなく、痛みの原因組織に直接アプローチする「再生医療(PRP療法)」や「筋膜リリース注射」を導入しています。

1. なぜ肩の痛みは長引くのか?

四十肩・五十肩の原因の一つとして、関節周囲の腱(腱板)や靭帯の炎症・損傷が関与しています。これらの変化は単純X線検査(レントゲン)では評価が困難であるため、初期診断や治療が遅れることが少なくありません。

また、部位によっては自然な修復が起こりにくく、湿布や鎮痛薬といった従来の対症療法や安静のみでは損傷が残存しやすいのが実情です。その結果、疼痛が数ヶ月から数年にわたり長期化するケースも多くみられます。

2. 組織の修復を促す「PRP療法」

PRP療法は、ご自身の血液から抽出した「血小板」と呼ばれる組織を濃縮し、患部に注入する治療法です。血小板には多くの成長因子が含まれており、これが損傷した組織の修復プロセスを活性化させます。

PRP療法のメリットとメカニズム

PRPとはPlate Rich Plasma(多血小板)の略で、自己の血液から血小板と呼ばれる成分を抽出し、患部に注射することで、組織の炎症を改善し、修復を促す治療法です。

  • 組織修復効果:痛みを抑えるだけでなく、部位によっては組織修復そのものを促進する作用が期待されます。その結果、症状の一時的な緩和にとどまらず組織の機能回復をも目指すアプローチといえます。
  • 副作用のリスクが低い: ご自身の血液を用いるため、免疫拒絶反応や重篤なアレルギーのリスクが非常に低いのが特徴です。
  • 注射のみで完結:組織の修復をサポートする効果が期待される一方で、治療は注射だけで完了します。

【自由診療(保険外診療)に関する重要事項】
標準的な費用: PRP療法(1回) 132,000円(税込) ※初診料・検査料等が別途かかる場合があります。
リスク・副作用: 注入部の痛み、腫れ、皮下出血、感染症のリスクがあります。自己血液を用いるため重篤な副作用は稀ですが、効果には個人差があり、全ての患者様に同様の結果を保証するものではありません。
治療回数・期間: 通常1回の注入で経過を見ますが、複数回行うことも可能です。経過観察を含め、一般的に3〜6ヶ月程度の期間を要します。

※治療価格は定期的に見直しを行います。最新の情報は、治療価格ページをご確認ください。

3. 癒着を解除する「筋膜リリース注射」

「突っ張り感があって肩が回らない」といった症状がある場合、肩関節周囲の組織が炎症により癒着している可能性があります。
筋膜リリース(ハイドロリリースとも呼ばれます)とは、エコーでリアルタイムに確認しながら、患部に生理食塩水を注入する治療法です。この治療により、以下の効果が期待できるとされています。

水圧による剥離:生理食塩水の注入圧により、癒着した組織を物理的に剥離します。
炎症物質の洗浄効果:患部に蓄積した炎症性物質を水圧で洗い流し、組織修復が進みやすい環境を整えます。

筋膜リリース注射

4.PRPとの使い分け

肩関節周囲に強い痛みがある時期には、PRP治療が適しています。痛みが強くて手を挙げることができない、痛くて夜も眠れないといった状態が目安となります。また、検査で確認された損傷部の修復を目的とする場合にもPRPが適応となります。

一方、筋膜リリースは、関節周囲組織の癒着によって生じる可動域制限の改善を目的とした治療です。疼痛は比較的軽度であるものの、突っ張り感や可動域制限(シャツに手が通しづらい、背中に手が回らない、腕が上がらず髪を結べないなど)が主症状の場合には、筋膜リリースによる改善が期待されます。

治療頻度と通院の目安

初期段階では1〜2週間に1度の治療が効果的です。その後は症状に応じて間隔を空け、必要に応じて再評価と施術を行っていきます。

記事の執筆者

南雲 吉祥

NAG整形外科院長:南雲 吉祥
整形外科専門医、スポーツドクター。元は整形外科領域のがん治療医として活動。その後、米国で再生医療の研究に従事する。渡米中のケガをきっかけに、スポーツ医学の重要性を認識。帰国後、スポーツ外科医に転身する。
現在、アスリートを血液解析と再生医療を用いた医療技術でサポートする、「アスリートサポートプログラム」を展開中。紹介ページはこちら