CBDとは何か?
CBDの定義とは?
CBDとは、Cannabidiolカンナビジオールの略で、カンナビス・サティバと呼ばれる植物から抽出される、カンナビノイドと呼ばれる化合物の一つです。同じカンナビノイドの一種であるTHC(テトラヒドロカンナビノール)と同様、高い健康効果をもたらす一方で、精神作用を持たないことから、安全に使用できることが知られています。
大麻とCBDの関係とは?
カンナビス・サティバと呼ばれる植物には、その構成成分の違いによってヘンプ(麻)と大麻草の2種類があります。米国の農業法2014に基づき、THC成分の割合が0.3%以下の品種を「ヘンプ」、20%を超えるものを「大麻草(大麻)」と区別します。
CBDはヘンプ、大麻草のいずれにも共通して含まれる化合物であるため、どちらを原料にしても得ることが出来ます。但し、大麻草には精神作用を持つTHCが含まれることから、日本ではヘンプ由来、さらに種と茎由来の製品のみの使用が許可されています。
THCとCBDの違いとは?
THCは、脳に直接作用することが知られており、陶酔感・多幸感といった高い精神活性作用をもたらします。一方で、CBDはTHCと異なり、脳への直接作用がありません。一方で、中枢神経系を除く全身の受容体に結合することで、後述する様々な健康効果を発揮します。
CBDの効果とは?
■ 抗炎症作用
白血球の遊走を抑えると共に、炎症性サイトカインの転写を抑制し、炎症を抑える作用があります。このため、関節リウマチなどの炎症性疾患への治療効果が期待されます。
■ 鎮痛作用
ぶつけたり捻ったりすることで生じる一般的な痛み以外にも、神経性の疼痛や、心因性の疼痛に対しても効果が認められています。
■ 抗痙攣作用
近年注目されているCBDの作用として、痙攣を抑える効果があります。このため、日本でも、てんかんと呼ばれる痙攣性疾患の治療にCBDを用いる研究が進められています。
■ 制吐作用
CBDが嘔吐中枢に作用することで、吐き気を抑える効果が指摘されています。
■ 食欲抑制作用
CBDは脳の視床下部と呼ばれる部位で、グレリンという食欲増進ホルモンに競合し、食欲を抑える効果が期待されます。
■ 抗不安作用
CBDはセロトニン受容体に作用することで、抗不安作用を示すことが知られています。
■ 睡眠改善作用
レム睡眠中の筋緊張を緩めることで、睡眠の質を改善する効果が期待されます。
CBDオイルについて知ろう
CBDオイルとは?
CBDの接種経路には色々な種類がありますが、広く用いられているのがCBDを含有したオイルです。
CBDオイルの種類は?
CBDオイルには、フルスペクトラムオイル、ブロードスペクトラムオイル、そしてCBD分離物があります。
■ フルスペクトラムオイル
CBD以外にも、他のカンナビノイドや植物由来成分を含みます。各々の成分の相乗効果によって、より多くの健康作用を有するとされていますが、精神作用をもつTHCを含有しているため、日本国内では使用できません。
■ ブロードスペクトラムオイル
フルスペクトラムオイルからTHCを取り除いたものです。日本でも使用できます。
■ CBD分離物
純粋なCBDのみを含んだもので、他のカンナビノイドや植物由来成分が含まれていません。
CBDの副作用や注意点について知ろう
CBDの副作用とは?
CBDは、一般的に副作用がほとんどないとされています。ただし、高用量を摂取した場合には、下痢、嘔吐、疲労感、食欲不振などの副作用が報告されています。
また、CBDは肝臓の薬物代謝酵素の働きを弱めるため、同時期に摂取する薬剤の効果が強まる可能性があります。
CBD製品を選ぶ際の注意点とは?
CBD製品を選ぶ際には、製造元が信頼できるか、製品の品質が高いか、といった点を確認します。特に、日本国内ではTHC含有の商品は違法であるため、この点をしっかりと確認することが重要です。
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記事の執筆者
NAG整形外科院長:南雲 吉祥
整形外科専門医、スポーツドクター。元は整形外科領域のがん治療医として活動。その後、米国で再生医療の研究に従事する。渡米中のケガをきっかけに、スポーツ医学の重要性を認識。帰国後、スポーツ外科医に転身する。現在、アスリートを血液解析と再生医療を用いた医療技術でサポートする、「アスリートサポートプログラム」を展開中。紹介ページはこちら。