血液解析とは?血液解析の目的や種類など徹底解説|血液解析なら白金台のNAG整形外科

多くの方が定期的な健康診断で血液検査を受けていると思います。しかし、その血液検査の結果について、正しく理解をしている方は思いのほか少ないのではないでしょうか。

NAG整形外科では、これまでアスリートのコンディション管理に限定して行っていた「血液結果の解析」と、それに基づく「栄養指導」を、この度、一般の方々にもご利用頂けるようになりました。

健康診断の基準値は理想値ではない

普段の健康診断で、時々異常値がつき、生活習慣の改善を指示された経験はありますか。コレステロールや中性脂肪が高い、タンパク質の値が低い…というのは、身体に良くないだろうということはイメージできますが、具体的な症状が何もなければ、実際に改善に向けて行動を起こすことは難しいと思います。

しかし、一般的な血液検査で異常値が出たということは、実は「既に臓器障害を起こしている」ということを意味します。

検査会社が用いている基準値というのは「臓器障害、疾病に罹患しない範囲にいる」ということを意味するだけで、「私たちの身体にとって理想的な状態にある」のとは別問題なのです。

事実、私はこれまでスポーツドクターとして多くのアスリートの血液解析を行ってきましたが、筋骨隆々としたアスリートでも臓器へのアミノ酸供給が滞っていたり、健康目的で摂取している食品によって脂肪肝になっていたり、というケースは数多く経験しました。しかし、こういった体内の栄養バランスの乱れは、必ずしも症状として出現しません。特に若いアスリートの場合は、その身体に秘めた絶対的なポテンシャルがあります。そのため、血液検査で多くの異常値が出た後でも、平気で大会で好成績をあげたり、自己新記録を更新する選手も稀ではありませんでした。

血液解析の目的

こうした話をすると、血液解析の必要性をあまり感じないかもしれません。

しかし、私たちの体は万能ではありません。長期にわたる栄養バランスの乱れは、着実に体内の臓器を侵し、様々な症状として現れます。

みなさんの中に、以下のような症状を自覚されている方はいらっしゃいますか?

  • いくら寝てもとれない、慢性的な疲労感がある
  • 肩や腰に重だるさがあり、マッサージを受けても改善しない
  • 気分の変調が激しく、突発的なイライラが抑えられない
  • 特に冬季を中心に、気持ちが落ち込み、うつ状態となる
  • 肌荒れに悩んでおり、皮膚科で処方された外用薬も効果がない

私は整形外科医ですので、多くの場合は筋・骨格に原因を求めます。しかし、こうした症状に悩んでいる方の中には、かなりの割合で、慢性的な栄養バランスの乱れが潜んでいるケースが多いのです。

「コンディション管理」というと、まるで自分とは関係のないように感じる方も多くいるかもしれません。しかし、その実態は、既に感じている日常的な異常を感知し、症状を軽減し、将来発症するかもしれない様々な疾病リスクを抑えることにあるのです。

NAG整形外科では、これまで多くのアスリートに実施してきた経験と知見を活かし、皆さんの健康管理の一環として、血液解析事業をご提供します。

血液解析の流れ

NAG整形外科では、分子栄養学に基づいて血液の状態を評価しています。その特徴は以下の2つです。

①通常の血液検査で用いるものよりも、厳しい基準値を設定している
②通常の血液検査では調べない項目を数多く含んでいる

解析に用いる基準値は、従来の血液検査とは根本的に異なります。以下はその一例です。

総コレステロール

高値ではコレステロールが血管に沈着し、動脈硬化のリスクが高いとされています。しかし、コレステロールは細胞を修復する成分であるため、「そもそもなぜコレステロールが大量に分泌されるに至ったか」を考える必要があります。また、コレステロールは性ホルモンやステロイドホルモンの原料となるため、高値だけでなく、低値の場合にも注意が必要です。

γGTP

胆道系の酵素で、飲酒量が多い場合は高値になる、というのは皆さんご存知の通りです。一方で、γGTPの原料はタンパク質(アミノ酸)である為、低値の場合はタンパク質不足の指標となります。

アルカリフォスファターゼ(ALP)

これも胆道系の評価指標に用いられていますが、ALPは体内の様々な組織で機能する酵素です。その働きには亜鉛とマグネシウムが関わっており、これらの過不足の指標としても用いられます。

また、従来の検査では調べる頻度が低い項目についても、検査を行います。

ビタミンD

免疫力改善の要として、近年注目が集まっているのがビタミンDです。ビタミンDの効果は多岐に渡り、骨質の改善目的で骨粗鬆症治療薬となっている他、体内の筋肉合成を促進したり、脳の情報伝達能力を促進して、うつ状態を改善する効果が期待されています。

亜鉛

体内では300種類を超える酵素反応に関わる重要な物質です。不足によって、肌や爪、髪の毛に異常を来したり、免疫機能や骨密度の低下をもたらすとされています。男性ホルモンの合成にも関わる他、小児では不足により発育障害のリスクがあるとされています。

EPA/AA値

オメガ3脂肪酸であるEPAは、体内の細胞の膜流動性に関わり、血液の流れを改善する他、脳機能を促進し、うつ病や認知症の症状改善に役立つ効果があります。一方で、オメガ6脂肪酸のアラキドン酸(AA)は過剰量では体内で炎症を引き起こし、EPAとは逆の作用を示します。これらのバランスを計測することで、普段の食事から適切な脂肪酸を吸収できているか評価します。

血液解析の種類について

  1. 標準血液解析:全36項目を評価します。通常の健康診断では調べない項目を多く含み、現在の身体の状況をより詳細に評価することができます。
  2. 骨代謝評価セット:骨は日々、破壊と再生を繰り返しています。骨代謝に特化した項目を調べ、骨粗鬆症や疲労骨折のリスクを評価します。
  3. 疲労評価セット:疲労に関わる複数のホルモンを調べることで、現在の疲労状況を他覚的に評価します。

こんな方におすすめ

  • 最近、疲れが中々とれない。
  • 寝つきが悪い、あるいは夜中に何度も目が覚める。
  • 運動に伴うケガが多い。
  • 肌のトラブルが中々治らない。
  • 大病を患ったが、日々の生活をどう変えれば良いか分からない。
  • 骨粗鬆症を指摘された。

血液解析の流れ

外来で採血を行います。採血にかかる時間は数分程度です。

当日はご帰宅頂き、10-14日後に結果説明にご来院頂きます。

説明は、医師がマンツーマンで行います。

結果説明の際には、以下をお渡しします。

  • NAG整形外科オリジナルレポート
  • 血液解析説明書:標準血液解析を行った場合の全36項目について、各栄養の働きをまとめた独自の解説書です。

採血を受ける際の注意点

検査当日は、可能であれば食事を摂らずにご来院ください。

  • 採血を受ける際は、最低でも食後8時間以上あけてください。
  • 中性脂肪の結果に影響が出るため、アルコールと脂肪を同時に摂取した場合は、食後12時間以上あけていただく必要があります。
  • お薬を服用している方は予約時にご相談ください。
NAG整形外科で血液解析をご希望の方は
下記よりご予約ください。

記事の執筆者

NAG整形外科院長:南雲 吉祥
整形外科専門医、スポーツドクター。元は整形外科領域のがん治療医として活動。その後、米国で再生医療の研究に従事する。渡米中のケガをきっかけに、スポーツ医学の重要性を認識。帰国後、スポーツ外科医に転身する。現在、アスリートを血液解析と再生医療を用いた医療技術でサポートする、「アスリートサポートプログラム」を展開中。