ダイエット内服薬リベルサスとは?白金台でリベルサスならNAG整形外科ダイエット内服薬リベルサスとは?

今回はリベルサスという内服薬について、説明していきます。

リベルサスの基本情報

  • 一般名:セマグルチド(Semaglutide)
  • 製造会社:ノボノルディスク(Novo Nordisk)(本社所在地:デンマーク)
  • 発売年度:2021年

リベルサスは、2021年に発売開始となった、世界初の経口GLP-1受容体作動薬です。血糖降下作用を持つインスリン分泌を促進するのに加え、腸管の動きを調整して食欲の抑制効果をもたらします

GLP-1受容体作動薬とは

GLP-1(ジーエルピーワン)は私たちの体内で産生されるホルモンの一つです。血糖値を下げる働きを持つインスリンの生成を促進することで、血糖降下作用を持ちます。

私たちの身体は、食事として糖を取り込むと、消化管からインクレチンと呼ばれるホルモンを分泌します。分泌されたインクレチンは膵臓に作用し、インスリンの分泌を促す作用を持つのです。

インクレチンには二種類あります。

  • グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(glucose-dependent insulinotropic polypeptide:GIP)
  • グルカゴン様ペプチド-1 (glucagon-like peptide-1:GLP-1)

GIPとGLPはどちらもインスリン分泌作用を持ちますが、それ以外の働きが異なります。

GIPは膵臓からグルカゴンと呼ばれる血糖上昇ホルモンの分泌も刺激します。また、脂肪細胞に脂肪を溜め込む働きがあります。

一方のGLP-1はグルカゴンの分泌を抑制し、さらに胃の動きを遅くして食べ物を腸に送るスピードを緩める作用も持つため、結果として急激な血糖上昇が抑えられます。また、食欲自体を抑制する働きもあることが分かっています。

このように書くとGIPは何だかネガティブな印象を受けますが、実はそうでもありません。GIP、GLPが発見されたのは1970年代から80年代にかけてですが、近年になって、GIPのインクレチンとしての降下はGLP-1よりも高いということが分かり、さらにGIPにも強い食欲抑制効果があることが判明したからです。

事実、これを受けて2023年にはGIPとGLP-1、両方を刺激する新たな糖尿病薬も販売されました(こちらについては、別の記事でご紹介します)。

さて、話をGLP-1に戻します。GLP-1の働きを改めてまとめると、以下の通りです。

  1. インスリン分泌促進とグルカゴン分泌抑制によって食後血糖の上昇を抑える。
  2. 胃の動きを遅くし、腸へ食べ物を送る速度を緩める。
  3. 脳に働きかけて食欲を抑制する。

こうした作用を持つGLP-1ですが、体内で分泌されると、すぐにDPP-4(ジペプチジルペプチダーゼ4)と呼ばれる酵素により分解されてしまいます。

そこで登場したのがGLP-1受容体作動薬です。GLP-1受容体作動薬は、その化学構造に手を加え、DPP-4による分解を受けにくいように開発された製剤になります。DPP-4による分解を受けにくいため、従来のGLP-1よりも長時間にわたって働きが維持され、高い効果を得ることができます。

リベルサスの適応疾患

保険診療において、リベルサススは、2型糖尿病の治療に使用されます。従来は注射製剤しかなかったGLP-1受容体作動薬において、初の経口製剤として発売されたことで、患者様の負担を大きく減らす一助となりました。

続いて、リベルサスの治療効果について詳しく見ていきましょう。

用法用量

1日1回、1錠を最初の食事の前に、水と共に内服します。内服後30分は、他の薬剤の内服や食事の経口摂取を控えてください。

ダイエット薬としての効果

2021年にアメリカから発表された研究では、BMI30以上の成人1961人を2グループに分け、片方にはリベルサス2.4mgを、もう片方には偽薬を与えて68週間に渡って観察しました。その結果、偽薬を投与したグループでは平均2.4%の体重減少であったのに対し、リベルサスを服用したグループでは1人あたり平均14.9%、15.3kgの体重減少が認められました。このことから、現在リベルサスは、海外においては肥満症の治療にも用いられています。

副作用

GLP-1受容体作動薬の副作用には以下のようなものがあります:

  • 胃もたれ、胸やけ、吐き気: 初期に起こることがありますが、通常は軽度で一時的です。
  • 低血糖: 他の糖尿病治療薬と併用する場合、低血糖(低血糖症状)が発生する可能性があるため、医師の指導を受けることが重要です。
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記事の執筆者

NAG整形外科院長:南雲 吉祥
整形外科専門医、スポーツドクター。元は整形外科領域のがん治療医として活動。その後、米国で再生医療の研究に従事する。渡米中のケガをきっかけに、スポーツ医学の重要性を認識。帰国後、スポーツ外科医に転身する。現在、アスリートを血液解析と再生医療を用いた医療技術でサポートする、「アスリートサポートプログラム」を展開中。

参考
J P.H. Wilding, et al. Once-Weekly Semaglutide in Adults with Overweight or Obesity. The New England Journal of Medicine. 2021