減量目的に使用される薬剤には、内服薬以外に注射製剤があります。今回は注射製剤について見ていきましょう。
GLP-1注射(GLP-1受容体作動薬の注射製剤)
国内で使用可能な製剤にはサクセンダ、ビクトーザ、オゼンピックと呼ばれる三種類の製剤があります。GLP-1受容体作動薬の詳細については、過去のブログをご覧ください。
サクセンダ・ビクトーザについて
成分は同一ですが、使用目的が異なります。サクセンダは肥満症の治療薬として開発されたのに対し、ビクトーザは糖尿病の治療薬として販売されました。
注射頻度は、どちらも1日1回です。注射容器に違いがあり、サクセンダは0.6mg刻みで0.6-3.0mgまで、ビクトーザは0.3mg刻みで0.3-1.8mgまでの目盛りが付いています。
尚、サクセンダは国内未承認薬となっています(アメリカ、EU諸国では使用されています)
オゼンピックについて
糖尿病の治療薬として開発されました。注射頻度は1週間に1回です。
0.25mgから投与を開始し、4週間後に十分な効果が得られなければ0.5mgに増量、さらに4週間後にも効果が不十分であれば1.0mgに増量、といった具合に適宜用量を調整しながら使用します。
注射方法について
ご自宅で皮下へ自己注射します。皮下であればどこでも構いません。一般に、腹部に打つことが多いです。いずれも全身に作用する薬剤ですので、注射部位だけが細くなっていく、という心配はありません。
髪の毛よりも細い針を使用し、お痛みが大きな問題になることは多くありません。
注意事項、副作用
急性膵炎、下痢、悪心・嘔吐、嘔吐を伴う激しい腹痛、腹痛、食欲減退、浮動性めまい、糖尿病網膜症、味覚異常、低血糖症状などの副作用が起こる可能性があります。
重度の胃腸障害 (胃潰瘍、炎症性腸疾患など)、膵炎や甲状腺疾患の既往、低血糖を起こす可能性が高い方(糖尿病、妊娠中または 2か月以内に妊娠を予定している、授乳中)は服用できません。
サクセンダが国内未承認薬であることは既述の通りですが、ビクトーザ、オゼンピックについても、承認は2型糖尿病になっております。使用の際には医師にご相談ください。
NAG整形外科でダイエット注射をご希望の方は
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記事の執筆者
NAG整形外科院長:南雲 吉祥
整形外科専門医、スポーツドクター。元は整形外科領域のがん治療医として活動。その後、米国で再生医療の研究に従事する。渡米中のケガをきっかけに、スポーツ医学の重要性を認識。帰国後、スポーツ外科医に転身する。現在、アスリートを血液解析と再生医療を用いた医療技術でサポートする、「アスリートサポートプログラム」を展開中。紹介ページはこちら。